原付北海道1周4,000kmリターンズ

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ありがとう。けど2人とも吸わへんから。

1984(昭和59)年7月5日 Part5 鴛泊(オシドマリ)~オタドマリ沼~沓形(クツカタ) 約40km

イメージ 1北の海に沈む夕日。
いや、長い1日でした。

ようやくキャンプ場に入り、このたび初めてのテント泊。
タケのテントには、この後もさんざんお世話になりました。

テントを張って、中に荷物を置き、表に出てみると、
思わず目を疑いました。


「と、寅さん!?」


渥美清さん、ではなくて『フーテンの寅さん』にそっくりな、
テキヤ風のおじさんが、近くにテントを張っていたのです。

どちらから話しかけたのかもう忘れました(たぶん興味津々の私らだったんでしょう)が、
このおじさん、非常に気の良い方で、いろんな話をしてくれました。
中でもお得情報だったのが、次の日がウニ漁の解禁日で、
「朝、漁をしているところへ行けば獲れたてのウニがもらえるよ。」というものでした。

当時わたくしTDは、ウニを食ったことがなかったんですね。
まさに未知との遭遇を楽しみにしながら、おじさんにお礼を言い、
近くの国民宿舎まで、歩いて風呂に入りに行きました。


2日ぶりの風呂を満喫して戻ってみると、地元の高校生が私らのバイクのそばに。
よく見ると彼も私と同じRGΓ(黒)に乗っているようです。

「どこ行ってたの?」「国民宿舎の風呂へ行ってたんやけど。君は何してんの?」
「いや、同じバイクだったから。いたずらされたらいけないと思って。」
「見張ってくれてたん?」「うん。」「ありがとう。」「話したかったし。待ってた。」

素朴な少年でした。(「1本どう?」と勧められましたが(笑)。)
ぼそぼそと3人で30分くらいしゃべってたかなあ。内容は忘れてしまいました。

覚えているのは、
「カジ(…て言うたと思うんですが。北海道の方、違ってたら指摘して下さい。)吹いてきたね。」
と言った彼の言葉。一瞬「風」のことだとわからず聞き返した覚えがあります。

そのうち「明日早いから帰る。」「部活の朝練?」「ウニ漁だから。手伝い。」
もしかしたら明朝会えるかなあ、と思いながらまだ華奢なバイクの背中を見送りました。


いつの間にか夜空は満天の星、星、星! 星ってこんなにたくさんあったんや…。

高校時代に部活の連中と行った喫茶店で、
一人が砂糖入れを黒いじゅうたんの上にひっくり返したんですね。

そんな感じ。

しかもボーっと見とれていると、その中を動いていくものが。


「じ、人工衛星!?」


寅さんレベルの(笑)驚きでした。大阪ではお目にかかれないものばかりです。
寅さんは本気で探せば見つかるかもしれませんが。

そんな星空、いつまで見てても見飽きないんですが、翌朝は大事なウニの解禁日(笑)。
その上、疲れ+気持ちいい風呂=強力な眠気。
初めてのテントに入り、次の朝を楽しみにまどろみ始めたのが午後10時くらいやったかな。


このあとにやってくる地獄のことなどつゆ知らず…。


★沓形岬公園キャンプ場 泊★

BGM「Tears of the Star」 by Casiopea