原付北海道1周4,000kmリターンズ

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三重県いなべ市&岐阜県海津市・輪之内町 -Part2-

「まんぼって何?」という質問に、皆様の反応のないまま、
年々我慢強さが失われている私は、答えをバラしてしまいます。
 
実は“まんぼ”というのは水平方向に掘られた井戸、
つまりは地下水路のことなのです。
神奈川県や中部地方~九州北部に今も残っており、
乏水地域の灌漑用水として、今も重要な役割を果たしています。
 
農林水産省のHP(←リンクはこちら)でも
「日本のカナート」と紹介されており、
今回訪問した『片樋まんぼ』はその代表例であるといえます。
 
以下にとりあえず「カナート」の説明を。
イメージ 1
 
まあ、ざっとこんな感じです。
高校の地理の時間に習った、という方もいらっしゃることでしょう。
 
私たちのイメージでは井戸=竪穴ですが、
この場合の竪穴は水を汲み上げるためのものではなく、
メンテナンス用(つまりマンホール)なのです。
 
日本の場合は砂漠に作られたものではありませんので、
簡単に水路の内壁が崩れることもなく、
よって竪穴はそれほど狭い間隔では設置されていません。
 
しかも『片樋まんぼ』は一つの水源からだけではなく、
複数の地下水脈を横断して水を広く集めるタイプであり、
イランなどホンマもんの乾燥地域とは、若干異なる様相です。
(後掲の説明看板の写真をご参照ください。)
 
下見のときに見せていただいたポイントは5か所。
およそ次の写真の①~⑤の位置になります。
総延長は約1kmです。
 
イメージ 5
 
当日は時間の関係で、
残念ながら③~⑤の3か所しか見学できなかったことと、
基本稲作用の灌漑用水なので、残念ながら今回の見学時には、
水が流れていませんでしたので、
ここからは下見のときの写真を使って話を進めたいと思います。
 
まず①のポイント。
製材所の奥の私有地?というようなところに、
まんぼのスタート地点があります。
 
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この看板の裏側。勝手に入ったら絶対に怒られるヤツですね。
 
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結構土などが流れ込んでるようにも見えるのですが。
 
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ピンボケてしまいました。
一応トンネルの入り口的なものが見えますでしょうか?
 
続いてポイント②。
完全に道端で、知らなければ全く見過ごす感じです。
 
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向こう側は道路。金網で囲ってあります。
 
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大切な生活にかかわる施設ですからね。
中に入れてもらって覗き込むと…、
 
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このようにプールのような感じになっています。
これはオープンの状態で、マンホール的ではありません。
 
一方③の地点には、マンホールそのものがあります。
 
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一見、まんぼ関係の施設かどうかは全くわかりません。
奥の茶色っぽい山は滋賀・岐阜両県にまたがる伊吹山です。
 
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この蓋はかなり重かったですね~。結構な水量です。
 
続いて④、最も見学用に整備されたポイントです。
いなべ市では、まんぼを実際に農業に利用すると同時に、
文化財としても保存、公開するスタンスのようです。
 
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このように「間風」という字を当てることもあるようです。
(こう書いて「まぶ」とも読みます。)
 
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中は夏は出たくなくなるくらい涼しく、
冬は出たくなくなるくらい暖かいです。
 
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当日(冬)は水が流れていなかったので、
トンネルの奥の方まで入っていけそうな感じでした。
懐中電灯持って来てたら!
下見時の夏は、いつまでも触っていたいような、気持ちの良い水でした。
 
最終の⑤はまんぼの出口です。
 
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ここにも碑が立っています。
 
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近づくと非常に冷たくてきれいな水が。
魚も泳いでいます(わかりにくいですが)。
 
水田の水としては温度が低いので、
少し温めるような工夫をして流す地域もあるそうです。
 
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下流には水田が広がっています。
先人の知恵をうまく継承して、現在も活かしている好例ですね。
 
Part3では三岐鉄道北勢線をご紹介いたします。