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機械遺産2012のうちの1つ

 日本機械学会は2007年6月に創立110周年を迎えました。その記念事業の一環として、歴史に残る機械技術関連遺産を大切に保存し、文化的遺産として次世代に伝えることを目的に、日本国内の機械技術面で歴史的意義のある「機械遺産」(Mechanical Engineering Heritage)を認定することにいたしました。
  「機械遺産」の認定は、本会の行う重要な事業として、今後も継続致しますので機械遺産について、当ホームページをご覧になった皆様には、ぜひ一度現地を訪問され、「機械遺産」をご自身の目でご覧頂きたく、あわせて今後の「機械遺産」認定に対し、ご理解とご支援を重ねてお願い申し上げる次第です。
 
…というような趣旨で、2007年度から、合計55の機械遺産が認定されているそうです。
今年度は第51号から55号の5つが認定されました。
 
その5つというのは、「ステンレス鋼製車両群(東急5200系と7000系)」
                      「池貝工場製第一号旋盤(現存最古の動力旋盤)」
                      「卓上複写機 リコピー101」
                      「ウォシュレットG(温水洗浄便座)」
 
そしてコレ。
 
イメージ 1
 
イメージ 2
 
 
上には「機械学会HP」の機械遺産のページにリンクを貼りましたが、
そのページの中の2012年度 機械遺産パンフレットというバナーをクリックしますと、
今年度の機械遺産の紹介があります。
(これまでの機械遺産の一覧と、それがどこで見られるかの一覧、なんていうものも付いています。)
 
以下はそのページからの引用です。
 
 吉野山ロープウェイは、旅客運送用として1929(昭和4)年3月12日より「千本口」駅と「吉野山」駅間の全長349メートル、高低差103メートルに搬器(ゴンドラ)2台で運行開始した、国内現役最古のロープウェイであり、架設当初の形態を現在までよく保つものとしては世界最古級である。
 技術的特徴として、2本の支索の間に走行機を配したえい索2本、平衡索2本による4線交走式機構が採用された(現在は平衡索を1本にまとめた3線交走式で運行)。また、停車場や支柱の大型化を抑えるため勾配にあわせた搬器形状が採用されている。さらに、戦後主流となるロックド・コイル・ロープと呼ばれる表面を平滑化したロープの先進的使用もみられる。
 架線支持部材や支柱は、架設した安全索道商会(現安全索道)の保守により、80年以上経過した現在でも現役であり、これらは当時のわが国の材料力学、金属材料技術の優秀さを示す証といえる。
 このロープウェイは、創業者 内田政男の「地元のために人を運ぶロープウェイを作りたい」との想いから、地元有志と共に苦労して実現化し、戦時下の金属供出令の中でも住民の交通手段を守りぬいた。
 吉野山ロープウェイは、わが国有数の桜の名所である吉野山世界遺産紀伊山地の霊場と参詣道」の出発点に位置する交通機関として今日なお、多くの観光客に利用されている。
 
実は私も昨年の今頃利用してまいりました!
上の写真はその時のモノです。
 
内田政男氏のことは知りませんでしたが、
昔はこういう地元のために金や労を惜しまない「名士」さんが、
あちこちにいらっしゃったんですね。
 
 
カラーリングが近鉄特急とそっくりです。
 
イメージ 3
 
これも昨年撮影したものです。似てますよね、カラーリング。
これには裏話があります。
 
ロープウェイを運営しているのは吉野大峯ケーブル自動車株式会社」
という会社で、近鉄とは何の関係もありません。
 
 
とするとなぜ同じようなカラーリングなのか。
 
 
実は吉野への特急の運行が始まったのが1965年。
その翌年に現在のゴンドラ、「さくら」と「かえで」(写真のヤツですね)が運行を始めました。
 
この時車体の塗装を、近鉄特急と同じ工場に発注したそうなんです。
そうすると余ったペンキ等使えて、経費節減ができたわけですね。
 
ところで塗り方、色の分け方まで似せたのは遊び心なんですかね。
それに対して近鉄も文句言った様子もないですし。
「良き時代」やった、ということでしょうか。
 
 
そんなわけで、今も近鉄特急と似たカラーリングで運行されている吉野山ロープウェイ
近鉄特急の方は若干黄色の色合いが、昔と変わったように思いますが、
やっぱりそっくりです。
 
 
それにしても、45年以上も前の車体を今でも使ってるわけですよね。
道理で現行の特急と比べると、オレンジがかった黄色がより黄色に近づいた感じがします。
これは「機械遺産」の名にふさわしいわ。
これからも大事にメンテナンスして運行してほしいものです。