みんな一生懸命自分の仕事をする、ということは。
物議をかもしている、プロ野球の開幕日程。
一方のセリーグ。
前世紀の遺物のような巨人の会長さんが、強行に予定通りの開幕を主張したらしい。
曰く 「(復興のために)あらゆる努力をする。その努力の源泉は明るい活力。
明るい活力を持って国民大衆に示すことができるのはプロの選手たち。
選手が全力でフェアプレーで緊張した試合をし、観衆が元気を持ってくれれば生産性が上がるんです」
ふむ。まあ言ってることは一理ありますね。
ただ一つ。決定的に抜けている視点があるように思うのですが。
「タイミングを計る」ということです。
神戸のときもそうでしたが、やはり何と言っても復興には被災地、現地の方々の力が必要です。
勝手によそ者が復興だ復興だといって、当地の方々の気持ちを無視して、
どんどん進めていくようなものではないでしょう。
そうするとやはりある程度時間がたって、打ちのめされた状態から、
自力で立ち上がろうとする気持ちが沸き始めてからこそだと思うんです。
焦って3月25日に開幕する必要なんてどこにもない。
事実サッカーのJリーグは、3月中のリーグ戦を全部キャンセルしました。
「復興が見えた時に野球で勇気づけることはいいと思うが、
今勇気づけられると思っているなら思い上がりだと思う」(SANSUPO.COMより)
と言っておられます。
だいたいが何十万人といわれる避難所暮らしの人が、テレビゆっくり見れるわけなんかないやないですか。
「この大変な、しんどい状況をどうかマスコミの人は全国に伝えてください!」て言うてはるときに。
それに多分テレビそのものがあまりないでしょう。
首都圏の方々も計画停電とか大変なときに、
「デーゲームにしても一緒。ドームでは変わらないからナイターで。」というのも意味がわからない。
別に東京ドームやないトコでやってもいいでしょ。
それともどうしても東京ドームでやらんとイカン理由でもあるんですか、巨人の会長さん?
正直被災者でない私なんかができることは、日々一生懸命働き、
日常の生活を送ることだ、とも思います。
でもちょっとその中に、被災地のことを慮る気持ちが必要なんではないでしょうか。
プロ野球選手だって、そら野球するのが仕事ですけど、
それしか考えられない、という人なんかいないでしょう。
被災地の状況とをはかりにかけると、選手会の判断は至極まともだと思います。
残念ながらプロ野球、サッカーに人気で抜かれた、ナイター中継の視聴率が上がらない、
と言われていますが、まさにこのような観客・視聴者側に立たない、
自分たちの勝手な判断で「よかれと思って」推し進めようという姿勢にこそ、原因があるのではないでしょうか。
今や時代は「巨人・大鵬・玉子焼き」の時代ではありません。
日本の多くの人々が、巨人の試合が見られることだけで喜んだ時代ではないんです。
そう思いたくはないでしょうけど、そうやないですか、巨人の会長さん?
一方高校野球は事情が違います。
極端な言い方すれば、今回出場できなければ、
2度と出場できないかもしれない学校があるかもしれないのです。
一生に1度かもしれない晴れ舞台。
日々注目されて野球ができるプロとは根本的に違うのです。
かのW杯王者、スペインからもチャリティーマッチのオファーが来ているともいいます。
この視点が決定的に欠けてはいませんか? NPBの皆さん方(というか、巨人の会長さんも)?
ナンバーwebを見ていて、「そうそう」と思ったのですが、ここはもう一歩考えを進めて。
3月25日にどうしても開幕したいなら、試合前に選手が全員で募金をおこなって、
それにプラスして、試合の必要経費を除いた収益を、すべて義捐金に回すんですよ。
パリーグが開幕するまでの試合の分すべて。
もちろんナイターもドーム球場もなしですよ。
とりあえず対戦相手の球場で開幕してもエエやないですか。
え? そんなことをしたら大損だ?
イヤイヤ、この非常時にそんなちっちぇえコトを考えてるわけないですよね(笑)。
“天下の”巨人の会長さん?