でも俺たちは また走り出す
立ちゴケ。
バイクに乗る方なら、経験したことのある方も多いでしょう。
しか~し。原付で経験した人は少ないはず。
スクータータイプなら、まずあまりない話なので。
私の愛車、SUZUKI RG50γ(ガンマ)。こんなバイクです。
実際は青かったんですが。
今でもにぎわっていますが、
当時も交通量は多かったように思います。
クルマの間をすり抜けて、
信号待ちでは先頭に出ることが多かったのですが、
このときも当然のように、車列の先頭にいました。
そしてもうすぐ信号が変わるぞ、というタイミングで、
(今となってはもう何だったか忘れましたが)、
ふと横に見えた何かが気になって、グッと横を向いたわけです。
ただ、普段と違うのは、フルフェイスのヘルメット。
そんなモンかぶって横のものを確認するためには、かなり体をひねらないとダメなんですね。
自転車でなくて、やはりそれよりは大きな原付ですから。
両足も辛うじて着くぐらいだったので、またがったまんまで見事横転。
しかも車線の右端近くにいて、右へブッ倒れたものですから、
反対車線でスタートしようとしていたトラックに、思いっ切りクラクションを鳴らされてしまいました。
あわてて車体を引きずり起こし、そのまま路肩に出てバイクを止め、
トラックの運転手さんに平謝り…。
今思い出しても情けない姿でしたねぇ~(笑)。
でもまあケガもなく、何とか敦賀に向かって再スタートしたわけなんですが、
いや、ホントに陸路で青森に向かわなくてよかった。
このレベルでは、たぶん青森に着くことすら夢の夢だったでしょう。
このときタケは、「あ、轢かれた! 北海道どころやないわ!」と思ったそうですし(笑)。
BGM 「俺たちの想い」 by 米米CLUB
T:企画発表のところでも載せた、当時の走行予定表見ると、
自分のバイクの距離計の数字が書いてあるんやけど、スタート時点で1090.7km。
まあもうかなりバイクには慣れてるはずやってんけど。
山科を抜けて、滋賀との県境を越えるとすぐにR161のBPに入り、すぐに長等トンネル。
T:あー、トンネルなぁ。そういえばその関門は越えてたわけやね。
タ:このトンネルが1km程あるんよね。トラックがバンバン走ってたし。
T:これがまたコワいんだ。
タ:トンネル内の原付って、自動車のドライバーから見ると、うっとうしいんよね。
けど原付ライダーにとっては、トラックに抜かれるとき恐怖心は何とも表現のしようがないよな。
このときも肩に力が入って、がちごちで運転してたような気がするわ。
T:うん。でもこのトンネルはあんまり印象ないな。たぶん緊張でアタマ真っ白やったんやろな。
タ:僕はとりあえずこのトンネルを抜けて、すっかり安心してしまったわけよ。
鼻歌なんかを歌いながら、風を感じておりました(笑)。
T:リンドバーグか、あんたは(笑)。
タ:次に起こる事なんてこれっぽっちも思いませんでしたねー。
T:ま、そんな信号変わる瞬間に気を取られてるほうが悪いんやけど。最低でも入院は覚悟したモンな。
T:ま、そんな信号変わる瞬間に気を取られてるほうが悪いんやけど。最低でも入院は覚悟したモンな。
向かいがトラックで、スタートに時間のかかる車種やったんが幸いやった。
ビュン、て飛び出して来られてたら、まず間違いなくヤラレてたね。
荷物満載してたのがイタかったな。バランスをよう取らんかったわ。
タ:転倒の瞬間はよく覚えてないなぁ。もしかすると視界に入ってなかったかも。
一瞬北海道の文字は消し飛んだね。僕もバイクを道ばたに寄せ、そちらにかけて行ったな。
転倒したものの、血が噴き出してる様子もなく、骨折している様子もなく、とりあえず安心したで。
北海道の文字も復活したし(笑)。
T:立ちゴケで、ダメージが少なかったのは、ホンマ幸いやったね。
タ:けど、ひょっとして精神的な打撃が大きいかもしれんかったから、
「今回の北海道一旦中止(延期?)しよか?」的な事を聞いたことは覚えてるわ。
もし、TDが「帰る」と言ったら、この後のTDへの精神的なフォローはどうすればよいか?
この夏をどう乗り切ろうかと一瞬考えたデ。
T:そこまで心配かけてたか。改めて申し訳ない。m(_ _)m
自分的には、こんなことは何回かあるやろう、て覚悟してたから、全然行く気やったけどな。
タ:何にしても轢かれんで良かった良かった。
T:けどこの事故のおかげでヘッドライトが曲がって、変な方向照らすようになって、
あとでまたトラブルの原因になったんよ。
タ:そうやで、ハイビーム状態やから僕のサイドミラーにライトが反射して、まぶしいて、難儀したで(笑)。
T:毎夜毎夜ケンカ売ってるようなもんやモンな(笑)。これも改めて申し訳ない。m(_ _)m
タ:確か、霧で、ライトが乱反射してたような。それは霧多布かどこかの道東やったかな?
T:そうそう。“秘境駅”的なことで知る人ぞ知るの、初田牛(はったうし)のあたり。
地面を全然照らされへんかったから、おかげでエライ目に遭うたもん。
タ:ま、その話はまた追い追いやな。